現在のカーボンニュートラルの流れの原点である日本におけるカーボンニュートラルへの取り組みは、1997年の京都議定書の採択により、新たなフェーズに突入します。
京都議定書は、1997年に京都で開催された国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択された国際条約であり、地球温暖化対策として、先進国が温室効果ガスの排出量削減に取り組むことを定めたものです。主な内容を見ると、先進国各国が削減目標を定め、2008年から2012年の間に、先進国全体で温室効果ガスの排出量を1990年比で5.2%削減するということが記されています。
これにより、国際社会が協力して温暖化対策に取り組むきっかけができ、温室効果ガスの削減に関する国際社会の意識を高めると共に、国や地域を超えて協力することの重要性を認識させることにもつながりました。
一方で、米国やロシアなどの国が参加を見送っており、かつ、途上国には削減義務が課されておらず、全体としては、地球温暖化対策として強制力のある実施策がないため、各国の具体的な取り組みを求めるには不十分だったとも言えます。その後、2015年に、現在の世界におけるカーボンニュートラル推進のベースになったパリ協定が採択され、日本においてもより一層の再エネ推進が実施されることにつながります。
本協定は、2015年にフランス・パリで開かれた国連気候変動枠組条約第21回締約国会議、いわゆるCOP21で採択された気候変動対策に関する国際的な枠組みであり、京都議定書の後継にあたります。各国は自国の温室効果ガス排出量削減目標(NDC)を設定し、削減目標を5年ごとに深掘りすることが決定されています。
日本においても、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの利用を促進することにより、2030年度の温室効果ガスの排出を、2013年度を基準として26%削減することを中期目標として定めると同時に、省エネルギー技術の開発や普及を図り、気候変動の影響を受けやすい途上国への支援や技術移転を行うことが決まりました。
図1:再エネを取り巻く政策・制度の変遷。1970年代から2020年代にかけての日本の再生可能エネルギー関連政策の変遷を示している
2020年10月26日の所信表明演説において、当時の菅内閣総理大臣が、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、その後2021年4月に開催された気候サミットにて、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けるという表明がされました。また、この宣言を受けた形で、再エネ・水素・蓄電池・CCUS(炭素回収・貯留)など14野を重点支援するクリーン成長戦略が策定され、目標達成の為、政策を総動員する方向が明確になります。
図2:G X政策の概要(出典;資源エネルギー庁 資料から抜粋)
2025年5月7日
この記事を書いた人

平松 昌(ひらまつ まさる)
BlueOceanCreativePartners株式会社 代表取締役 CEO
エネルギービジネスコンサルタント
小売電気アドバイザー(登録番号1805003)、ペロブスカイト太陽電池アドバイザー(登録番号231129022)、ITコーディネータ