データマネジメントや分析の文脈では、データの形式によって以下の3つに分類されます。
構造化データ(Structured Data):ExcelやCSV、RDB(リレーショナルデータベース)のように、行と列の概念があり、規則的に整理されたデータです。コンピュータでの処理や集計が容易です。
非構造化データ(Unstructured Data):メールの本文、Wordドキュメント、画像、動画、音声データなど、決まった構造を持たないデータです。そのままでは集計や分析が困難です。
半構造化データ(Semi-structured Data):XMLやJSON、HTMLのように、ある程度の構造(タグやキー)は持っているものの、RDBのような厳密な表形式ではないデータです。
データ形式 | 特徴 | 具体例 | 処理のしやすさ |
|---|---|---|---|
構造化データ | 行と列で規則的に整理 | Excel, CSV, SQL | ◎ 非常に容易 |
半構造化データ | タグやキーで構造定義 | XML, JSON, HTML | ○ 容易 |
非構造化データ | 形式が定まっていない | テキスト, 画像, 動画 | △ 困難 |
実務においては、「情報を構造化すること」と「構造化データをマークアップすること」を区別して考える必要があります。
情報の構造化:Webサイト内の情報を論理的に整理し、親子関係や関連性を明確にすることです。例えば、見出しタグ(h1, h2...)を適切に使ったり、パンくずリストを整備したり、情報同士の関係性(この製品はこのカテゴリに属する、この人物はこの組織に所属する等)を定義する作業が該当します。
構造化データマークアップ:整理された情報を、検索エンジンが理解できる特定のコード(JSON-LDなど)で記述し、HTMLに埋め込む作業です。
情報自体が整理されていなければ、正しいマークアップもできません。両者は密接に関連していますが、本質的には異なるステップです。AI時代においては、マークアップだけでなく、その前段階である「情報の構造化」が重要になります。
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構造化データは以前から存在する技術ですが、2024年以降、その重要性が急速に見直されています。背景には、もちろん生成AIの社会への普及があります。従来、構造化データは「検索結果にリッチリザルトを出すための施策」として認識されてきたのもまた事実です。しかし現在は、「AIに選ばれる情報源になるための必須条件」へと位置づけが変化しています。
当社が国内企業を対象に実施した調査によると、Web情報の構造化に成功している企業はわずか2.5%にとどまります。一方で、構造化に取り組んだ企業の90%以上が「SEO効果」「AI対応」「業務効率化」のいずれかで効果を実感しているという結果も得られています。つまり、今から構造化データに取り組むことは、97.5%の競合他社に対する明確な差別化要因となり得ます。当社では、この取り組みを「AI Ready Web」の構築として体系化し、支援しています。
▶ 詳しい調査結果:Web情報構造化がもたらす競争優位性 - 先行企業2.5%から見る成功への道筋
シンタックスとは、「どのように記述するか」という文法のことです。主に以下の3種類があります。
JSON-LD(ジェイソン・エルディー):JavaScriptを用いて記述する方法。HTMLのheadタグ内などにまとめて記述できるため、管理が容易。
Microdata:HTMLタグの中に直接属性を書き込む方法。HTML構造と密結合するため、修正が煩雑になりがち。
RDFa:Microdataと同様にHTMLタグ内に記述する規格。現在はあまり一般的ではない。
Googleは、実装や管理の容易さからJSON-LD形式を強く推奨しています。本記事でもJSON-LDでの記述を前提に解説します。
WordPressなどのCMSを使っている場合、JSON-LDはプラグインが自動生成してくれることも多くありますが、「何が出力されているか」を理解しておくことで、より精緻な設定やカスタマイズが可能になります。
シンタックス | 特徴 | Google推奨 | 実装場所 |
|---|---|---|---|
JSON-LD | JSオブジェクトとして記述 | ◎ 推奨 | scriptタグ内 |
Microdata | HTMLタグに属性を追加 | △ | HTMLタグ内 |
RDFa | XHTMLベースの拡張属性 | △ | HTMLタグ内 |
構造化データは、外部の検索エンジンやAIだけでなく、自社サイト内のAIチャットボットの回答精度向上にも貢献します。
近年、企業Webサイトに導入が進むAIチャットは、サイト内の情報を参照して回答を生成します(2025年末時点での中心技術はRAG=検索拡張生成)。このとき、参照元のデータが構造化されていると、AIは情報の意味や関係性を正確に理解でき、的確な回答を返せるようになります。つまり、今後はサイト内検索やAIチャットボットの行動化に向けて構造化データは必須のものとなります。
逆に、情報が非構造化データのみの場合、AIは文脈を誤解したり、関連性の低い情報を返したりするリスクが高まります。顧客対応の自動化やコールセンター負荷軽減を目指す企業にとって、構造化データの整備は前提条件となりつつあるのです。
Webサイト上の情報を正しく構造化し、AIが理解しやすい状態に整備することは、「AI Ready(AI受け入れ準備ができている状態)」なWebサイトを実現する第一歩です。これからのWebサイトは、人間のユーザーに見やすく、使いやすいだけでなく、AIという新たな訪問者に対しても親切である必要があります。
当社ユニファイド・サービスでは、構造化データの実装はもちろん、データ統合からAI活用までを一気通貫で支援する「Unisrv AI Ready Web®」を提供しています。「自社のサイトをAIに対応させたい」「構造化データをどう実装すればいいか分からない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
2025年12月24日
この記事の監修者

甲斐 博一
ユニファイド・サービス株式会社 CMO
グローバルIT企業における23年間のマーケティング経験に経営企画のスキルも加えB2B/B2Cともに経営とマーケティングを結び付けていくことをモットーとする。また、数多くのデジタルマーケティングおよびECの立ち上げや衰退ビジネスの立て直しも経験し、Webサイトを事業に貢献させてきた経歴を持つ。現在はユニファイド・サービスにて、B2B領域のビジネスにフォーカスし、CMOとしてマーケティングを推進すると同時に、新規事業計画と成長を支援する活動を並行して実践中。経営とマーケティング、事業企画、そしてリーダーシップを次世代に伝えていくための活動もライフワークとして行っている。