この約10年に渡って、MAツールが導入されるケースが増えてきた理由は、企業を取り巻くマーケティング環境が大きく変化していることに依存しています。とりわけB2B購買においては、顧客の情報収集行動はオンライン中心へと移行し、購買プロセスは益々複雑化しています。従来の営業担当者の経験や部分的な施策だけでは、見込み顧客の行動から現在の困り事を正確に把握し、適切なタイミングでアプローチすることが難しくなりました。さらに、各企業がWeb広告・SEO・SNSなど複数のデジタル施策を並行して行う中で、マーケティング担当者は、デジタルの力のおかげで、お客様行動が可視化されやすくなり、その結果組織内において、キャンペーン単位や、施策ごとの効果を測り、共有する義務や要望が高まってきたことに依存します。もちろん、それだけではなく、改善につなげる仕組みづくりも構築しやすくなっていることも背景にあります。
また、見込み客におけるデジタル行動を自動で追跡・分析できるようになったことから、個別のコミュニケーションを自動または半自動で実行する仕組みの構築が可能となりました。マーケティング活動をデジタル化していく中で、定量的に評価できる状態をつくりながら、見込み客の理解につなげていくことがMAツールの本質的な役割といえます。
MAツールにはBtoB向けとBtoC向けがあり、以下のような違いがあります。
| BtoB向け | BtoC向け |
購買プロセスへの意識づけ | ・複雑で長い ・組織購買のため関わる人が複数 | ・シンプルで短い ・意思決定者は個人 |
データの種類 | ・業界、売上規模、従業員数などの企業属性と部署、役職などの個人属性の組み合わせ ・商談、取引などの企業に紐づく情報 ・個人に紐づくオンラインとオフラインの行動情報 | ・年齢、性別、居住地域などの個人属性 ・世帯年収などの世帯に紐づく情報 ・オンラインを中心とする行動と過去の購履歴 |
重視する機能 | ・リード獲得フォーム生成 ・メールを中心とするコミュニケーションの自動化 ・スコアリング ・CRMやSFAとの連携 など | ・リード獲得フォーム作成 ・LINEやSNSなど複数のマーケティングチャネルとの連携 ・スコアリング ・リアルタイムセグメンテーション など |
BtoBの購買プロセスでは関わる人が多く、比較的検討期間が長いため、BtoB向けMAツールではアカウントとSFA(商談管理)・CRM(顧客管理)との連携が重視されています。一方、BtoCの購買は衝動性が比較的高く、LINEやアプリのプッシュ通知、SNS広告など、顧客が日常的に利用する多様なチャネルでのコミュニケーションを自動化する機能が重視されているのがその違いです。
MA、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理システム)は、顧客との関係強化を目指す上で欠かせないツールです。それぞれ、以下のように担当するフェーズと管理対象が異なります。
システム | 役割とフェーズ |
MA (Marketing Automation) | ・リードの創出・育成を自動化または半自動化し、興味・関心度を管理する ・商談生成前のフェーズが主な対象 |
SFA (Sales Force Automation) | ・営業プロセスを管理し、案件の進捗や商談確度を管理する ・商談生成から成約までのフェーズが主な対象 |
CRM (Customer Relationship Management) | ・既存顧客との関係を強化し、購買・問い合わせ履歴などを管理 ・成約後のフェーズが主な対象 |
3つのシステムを連携させることで、マーケティング・営業・カスタマーサポートの各プロセスが途切れずにつながり、業務全体の効率化とLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を目指す活動が図れます。
例えば、MAツールがナーチャリングでホット化したリードの行動履歴を把握したうえで商談化し、SFAに渡すことで、営業は顧客の関心に合った質の高い商談が最初から可能になり、成約率が向上、リードタイムの短縮化にもつながります。また、成約データをCRMで管理し、過去の購買履歴に基づいたクロスセルやリピート施策につなげるといった一連の連続した活動へと発展します。
リード獲得から育成、商談化、受注、顧客維持までの一連の流れを収益サイクルとして設計し、MAツールに組み込みます。例えば、以下のようなプロセスを設計します。
→ 匿名アクセス
→ MAL(Marketing Accepted Lead)※1
→ MQL(Marketing Qualified Lead)※2
→ SQL(Sales Qualified Lead)※3
→ 商談
→ 受注
→ 売上
→ 年間貢献利益
プロセス設計に基づき、営業部門やカスタマーサクセス部門と連携し、SFAやCRMと統合して運用します。
※1 MAL(Marketing Accepted Lead):マーケティング部門が獲得したリードのうち、基本的な情報が整備され、以降のナーチャリング対象として受け入れられたリード。
※2 MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティング活動によって育成され、購買意欲が一定以上に高まったと判断されるリード。営業部門に引き渡す候補となる。
※3 SQL(Sales Qualified Lead):営業部門が審査し、実際に商談化が可能と判断されたリード。具体的な提案や交渉に進める見込み客となる。
ユニファイド・サービスの「Unisrv AI Powered CRM®」は、Salesforceを中心とするSFA・CRMにMAを統合し、AIの活用を組み合わせることで、マーケティングオートメーションをさらに高度化するソリューションです。顧客データの一元管理にとどまらず、AIによる予測・分析・自動化を段階的に組み込み、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど企業活動全体を次のステージへ導くことを目的としています。
一般的に、MAツールは導入や運用に専門的な設計が求められ、社内だけで使いこなすには負荷が大きい場合が多くあります。本ソリューションでは、AIを活用したデータ分析まで視野に入れながら、SFAやCRMとの統合運用を包括的に支援することで、マーケティングと営業の連携強化をスムーズに実現できます。具体的には、AIがリードスコアリングを自動化し、購買意欲の高い見込み客を特定したり、過去の商談データをAIが分析することで、成約につながりやすいフォロー施策を推奨するといった仕組みを実装していきます。AIによる優先順位付けにより、成果につながる商談にリソースを集中でき、営業活動の生産性向上が期待できます。
また、導入後の運用定着や改善を専門チームが継続的に支援し、企業が段階的にAI活用を拡張できる体制を整えています。「AIを活用して顧客理解を深めたい」「営業とマーケティングのデータをシームレスに連携したい」「より高度なパーソナライズ施策を実現したい」といった課題を持つ企業にとって有効な選択肢となり得ます。詳細は以下のリンクもぜひご覧ください。
CRMやSFAと連携させ高度なマーケティングオートメーションを実現する「Unisrv AI Powered CRM®」について詳しくはこちら
MAツールは、現代の複雑化したマーケティング環境において、属人的な業務をデジタル化と共に標準化し顧客理解を促進、成果を定量的に最大化するための基盤の一部となるプラットフォームです。顧客行動のオンライン化と購買プロセスの複雑化が進む現在、MAツールの導入は企業にとって必須の装備となりつつあります。
成果最大化の鍵は、十分なターゲット顧客と顧客組織の理解、シナリオとコンテンツの生成、及び最適な目的設定から始まり、運用面ではMAツールとSFA・CRMとの連携を効果的に行うことです。リードの行動履歴が営業の商談化や売上データとつながることで、施策の投資対効果が可視化され、PDCAを適切に回せます。AIを組み合わせれば商談予測がさらに高度化し、限られたリソースを成果が出る見込みの高い接点に集中できます。
ユニファイド・サービスの「Unisrv AI Powered CRM®」は、Salesforceを中心としたSFA・CRMにMAツールの機能活用を統合し、戦略策定から実装・定着化まで伴走支援します。導入や運用のハードルを下げつつ、顧客接点の質と営業生産性を同時に引き上げたい企業にとって有効です。詳細は以下のリンクもぜひご覧ください。
2025年12月3日
この記事の監修者

甲斐 博一
ユニファイド・サービス株式会社 CMO
グローバルIT企業における23年間のマーケティング経験に経営企画のスキルも加えB2B/B2Cともに経営とマーケティングを結び付けていくことをモットーとする。また、数多くのデジタルマーケティングおよびECの立ち上げや衰退ビジネスの立て直しも経験し、Webサイトを事業に貢献させてきた経歴を持つ。現在はユニファイド・サービスにて、B2B領域のビジネスにフォーカスし、CMOとしてマーケティングを推進すると同時に、新規事業計画と成長を支援する活動を並行して実践中。経営とマーケティング、事業企画、そしてリーダーシップを次世代に伝えていくための活動もライフワークとして行っている。